「常人仮面」は、生まれつき心臓が弱い高校生・大高コクトを主人公にした異世界ファンタジーです。この作品は、双子の姉・克己(ツミ)を守るために奮闘するコクトが、学校ごと異世界に転移するところから始まります。異世界「梁界(りょうかい)」には11の平行世界が交錯し、殺した敵の姿に変身するという独特のルールが存在します。
この記事では、「常人仮面」のあらすじやネタバレ、見どころについて考察します。また、物語の設定や深層に迫るとともに、読者からの感想レビューも紹介します。常人仮面の魅力を余すところなくお伝えするため、ぜひ最後までご覧ください。
- 常人仮面のあらすじとネタバレ
- 異世界「梁界」の設定と変身ルールの詳細
- 主人公・大高コクトと主要キャラクターの役割と背景
- 読者からの感想レビューや作品の見どころ
もくじ
常人仮面の世界観の魅力を考察
- 物語の設定と舞台
- 登場人物
- 梁界の変身ルール
- 11の平行世界
- ゲンシ器官
- 因果とは?
物語の設定と舞台
常人仮面の設定
「常人仮面」は、生まれつき心臓が弱い高校生、大高コクト(コクト)が主人公の異世界ファンタジーです。彼は双子の姉であるツミ(ツミ)を何よりも大切に思い、守るために奮闘します。物語は学校ごと異世界に転移してしまうことから始まります。この異世界では、怪人たちが頻繁に出現し、生徒たちを次々と襲います。
この異世界には独特のルールがあり、敵を殺すとその敵の姿に変身してしまうという設定があります。コクトは一度、このルールにより敵の姿に変身しますが、その後は身体の傷を治すためにこの能力を利用します。彼は心臓が弱いため激しい運動ができず、戦闘のたびに自分の体を酷使することになりますが、ツミを守るために奮闘します。
舞台
物語の舞台は「梁界(りょうかい)」と呼ばれる異世界です。この世界は、11の平行世界が交錯する特異な場所であり、異様な風景や環境が特徴です。例えば、太陽が二重三重に見えたり、月以外に星がほとんど見えないなど、現実とは異なる不思議な光景が広がっています。
コクトたちが住んでいた地域全体が異世界に転移したため、学校やその周囲の環境もそのまま異世界に持ち込まれます。これにより、生徒たちは慣れ親しんだ環境の中でありながら、異質な世界でのサバイバルを余儀なくされます。この設定は、現実と非現実が入り混じる興味深い舞台となっており、読者に強い印象を与えます。
梁界のルール
異世界「梁界」には、殺した相手の姿に変身してしまうという法則があります。この法則により、コクトは一度だけ敵の姿に変身しましたが、その後はもっぱら身体の傷を治すためにこの能力を活用しています。彼が持つゲンシ器官は、普通の人間を超越した能力をもたらし、コクトは6つものゲンシ器官を持つ異常な存在として描かれています。
また、梁界は11の平行世界が交錯する場所で、それぞれの世界には独自の特徴と文化が存在します。例えば、コクトたちの元の世界「泰平(たいへい)」は比較的平穏な世界ですが、別の異世界から転移してきた住民たちは過酷なサバイバルを強いられてきた人間や怪人たちです。その他の世界には、それぞれ異なる背景と設定があり、物語に深みを与えています。
このように、「常人仮面」の設定と舞台は非常にユニークであり、異世界のルールやキャラクターの成長が巧妙に描かれています。読者は常に新たな驚きと緊張感を感じながら、物語に引き込まれていくでしょう。
登場人物
大高克人(コクト)
大高克人(コクト)は本作の主人公で、生まれつき心臓が悪い男子高校生です。彼は双子の姉、克己(ツミ)を何よりも大切に思い、守るためにあらゆる手段を尽くします。異世界「梁界」に転移した際、コクトはふたりを襲ってきた怪物を殺すことでその姿に変身して強力な能力を得ました。この変身能力を駆使して、コクトは姉を守り抜くために戦います。心臓の病気を抱えながらも、自分の身体を酷使してでも大切な人を守ろうとする姿勢が彼の魅力です。
大高克己(カツミ・ツミ)
大高克己(ツミ)はコクトの双子の姉で、物語の中で重要な役割を果たします。ツミは明るく前向きな性格で、弱い弟を支える存在です。彼女も異世界に転移してしまい、過酷な状況に直面しますが、コクトと共に力を合わせて生き抜こうとします。ツミの存在が、コクトにとっての大きな支えとなっており、彼女を守るためにコクトはどんな危険にも立ち向かう決意をしています。
迫田龍一郎
彼はドロドロの怪人を殺したことで、その怪人に変身してしまいますが、後に長耳の怪人の能力を奪い、強力な戦力となります。迫田はクラスメイトや友人を守るために戦い続け、コクトたちと共に異世界での生存を目指します。
吉家千子(チコ)
彼女はコクトたちの祖父の家に同行し、サウザンに襲われた結果、腕が触手になるという変異を受けますが、その力を駆使してコクトたちを助けます。
柳莉々(りり)
クラスメイトの一人で、長耳の怪人に顔を切りつけられるという苦難を経験します。彼女は後の展開でゲンシ器官を手に入れます。。
蓬莱風雅(フーガ)
コクトたちのクラスメイトであり、家柄がよく美男子で優等生です。彼は、その優れた頭脳と冷静な判断力で仲間たちを支えます。人道的な立場から敵にも同情するところがあり、生きるためなら手段を選ばないコクトとは、しばしば意見が分かれます。
大麻翠(おおあさすい)
「ヒロインの原石」とされるキャラクターであり、コクトたちと共に異世界での試練に立ち向かいます。見かけによらず性格がタフでサバイバルや戦闘に役立つ存在となります。
池田勇希
少し抜けたところのあるキャラクターで、コクトたちと共に異世界での生活を送ります。彼の存在は、物語におけるコミカルな要素を提供し、読者に息抜きを与えます。
佐久間大悟
佐久間大悟は、迫田が殺しかけた弱そうな怪人を身代わりに殺して謎の生き物の姿になります。彼は迫田やコクトの身代わりになって次々に怪人たちの能力を吸収していき徐々に力を増していきますが、周りを不安にさせる危険な兆候も見せ始めています。
黒部夏寿美
リアルギャルでありながらも、コクトたちと共に異世界でのサバイバルを続けます。
堂本先生
元々は普通の先生でしたが、半分鹿になった猟師の重吉と遭遇し、驚きのあまり転んで死亡してしまいます。その際、猟師の重吉が堂本先生の姿に変身します。重吉が堂本先生の姿を借りることで、以前よりも頼れる存在となり、コクトたちにとって重要なサポート役となります。
祖父の家を襲ったグループ
「闇の貴公子」サウザン
手の触手が伸縮自在の能力を持ち、驕傲世界では高い地位についていました。
「独尊貴族」蓼爵ワッツ
水棲住民の身体を持つ存在で、背中の水タンクがないと動けないという弱点があります。
「暴飲ソルジャー」飯塚翔真
背が2メートル以上あるカエルの姿を持つキャラクターで、圧倒的な体格と力を誇ります。
上杉陽介
上杉陽介は、コクトとツミの祖父を殺し、その祖父に変身して二人を殺そうとした人物です。
コクトたち"泰平"世界の学校を狙う怪人たち
長耳の怪人
長耳の怪人は音波で攻撃を仕掛ける能力を持っています。コクトが動けなくして重傷を負った迫田がとどめを刺し、その姿と能力を奪いました。
蟻兄弟
蟻兄弟は、中島正助と哲平の兄弟です。
兄の中島正助は蟻の姿に変身しており、知性が次第に失われていきます。
弟の哲平は格闘技に優れ、多少虫が混ざっていますがほぼ普通の人の姿です。
彼らは虫の袋を持ち歩き、怪我をしてもすぐに回復できるようにしています。
哲平は重傷を負った大悟の身体としてコクトに目をつけられ、結果として大悟に身体と能力を奪われます。
金毘羅兆治(こんぴらちょうじ)
金毘羅兆治は、梁友会の代表であり、周囲の怪人たちを集めてコクトたちの学校を狙います。
無念坊のグループ
無念坊(むねんぼう)
「百年観想」無念坊は、梁界に来た100年前から変身を繰り返し、現在はカマキリのような姿をしています。コクトたちを襲って敗れますがその異形のおかげで死を免れます。
再処理CF(さそり)
再処理CFは、「這い上がる虚」という異名を持ち、ゲンシ器官を持っています。学校のグループの手強さを見抜き、攻撃には消極的でしたが破魔矢の復讐に付き合う形で参戦します。
犬飼破魔矢(いぬかいはまや)
犬飼破魔矢は、「正射必中」という異名のとおり、矢の扱いに優れています。愛犬のファントムを失ったことでコクトに復讐を誓います。
ファントム
ファントムは、老いた忠犬という異名を持つ犬です。コクトを襲って逆に足を折られます。
ゲンシ器官の継承メンバー
ゲンシ器官の継承メンバーは、"孤高"世界の研究者たちの意志を継ぐグループです。梁界からの脱出方法を見つけ、事象の根源「御神体」を探し出し、平行世界の集束による破滅を防ぐことを使命としています。
白月
白月は、「鉄人」と呼ばれるこのグループのリーダーです。頭が硬いところがありコクトとは反りが合いません。
ルチアCF
ルチアCFは、「冷血令嬢」として知られるメンバーです。探索中に知り合ったコクトたちに請われて、この世界の説明のためにコクトたちの学校グループに期限付きで合流します。徐々に継承メンバーのグループよりも学校のグループに居心地の良さを感じていきます。
凹木(おうぎ)
凹木は、「語らざる狼」という異名を持ち、ゲンシ器官を2個持っています。カエルの怪物に襲われているところをコクトに助けられて親しくなります。
伊藤ジュリ
伊藤ジュリは、「ミラクルメイク」という異名を持つメンバーです。
加禰明人(かねあさひと)
加禰明人は、「路地裏のダイナマイト」と呼ばれています。
楡爵ハリウス
楡爵ハリウスは、「我に続け」という異名を持つ敵キャラクターです。おかしくなったタガメに殺されます。
多賀恵夢(タガメ)
多賀恵夢は、「期待の超新星」でしたが、ゲンシ器官を増やして暴走していきます。
梁界の変身ルール
変身の基本ルール
「常人仮面」の物語における変身ルールは、非常にユニークで物語の重要な要素となっています。この異世界では、殺した相手に変身することができます。この変身は、殺した相手の姿や能力を受け継ぐという特徴があります。具体的には、同族の場合は8割、別の種の場合は5割の確率でその姿に変身します。
変身の条件と制約
変身するためには、敵を殺すことが必要です。コクトは一度だけこの法則により敵の姿に変身しました。それ以降、変身能力はもっぱら身体の傷を治すために利用しています。この能力には特定の条件と制約があります。変身する際、身体のどの部分が変化するかは、黒い鳥居の御神体への祈願によってある程度コントロールすることができます。
変身の影響
変身能力には大きな利点がありますが、同時に大きな負担でもあります。変身することで得られる能力や力は非常に有用ですが、自分自身の姿が変わってしまうため、アイデンティティの喪失や能力の低下など混乱を招くこともあります。
変身とゲンシ器官の関係
「常人仮面」の世界では、変身能力とゲンシ器官が密接に関連しています。ゲンシ器官は、普通の人を超人に変える万能兵器であり、体が強くなったり、予知や霊感を感じ取れるようになるなどの効果があります。通常、1個以上のゲンシ器官を持つと正気を保つのが難しいですが、克人は6個ものゲンシ器官を持つ異常な存在です。ゲンシ器官の機能により、変身時の身体能力の底上げや、まわりの不自然を把握する能力が強化されます。
変身による回復
変身能力を利用する大きな目的の一つに、身体の回復があります。戦闘で負った傷を治すために小さな動物や虫を殺し、少しずつ身体の変化を利用して怪我を治します。この方法は即効性があり、梁界での厳しい戦闘を生き延びるために不可欠な手段となっています。
11の平行世界
11の平行世界は、"孤高"の究明者が何かの理論から導き出した数とされます。100年以上前、人の因果に触れる空間が11通りの未来に分岐しました。梁界には「変身摂理」の法則があり、11に分かれた平行世界はいつの日か1つに収束するらしいです。
梁界(りょうかい)とは
「常人仮面」の舞台となる異世界「梁界(りょうかい)」は、11の平行世界が交錯する特異な空間です。この世界には、それぞれ異なる特徴を持つ11の平行世界が存在し、物語の舞台として重要な役割を果たします。これらの世界は、特異な法則や環境を持ち、それぞれの住人が独自の文化や技術を発展させてきました。
泰平(たいへい)
泰平は、コクトたちが元々住んでいた世界であり、平穏で恵まれた環境を持っています。この世界の人々は、生きる力が比較的弱く、異世界の過酷な状況に直面した際には厳しいサバイバルを強いられます。
薄氷(はくひょう)
薄氷は、泰平に似た世界ですが、疫病や戦争、経済的な混乱が頻繁に発生しています。
歯車(はぐるま)
歯車は、厳しい統制社会であり、冷戦時代のような軍拡競争が続いている世界です。この世界では、有機土壌を石炭に変える技術が発展しており、エネルギーには困りませんが、自然環境が失われています。長耳怪人やルチアCFはこの世界の出身です。
継戦(けいせん)
継戦は、前世紀の初めから戦争が絶えず続いている世界です。社会全体が遅れているものの、住人たちは非常に逞しく、戦闘能力も高いです。蟻兄弟がこの世界出身であり、彼らの戦闘能力はこの世界の環境によって培われたものです。
驕傲(きょうごう)
驕傲は、真社会性動物へと変貌した人類の世界です。この世界では、支配階級の爵位持ちが改造を施した従者を使役しており、厳しい階級社会が形成されています。サウザンやワッツがこの世界の出身であり、彼らの能力や冷酷さはこの社会構造に由来します。
餓鬼(がき)
餓鬼は、文明が滅び、変異体(ミュータント)と化した人々が廃墟で生き延びている世界です。ドロドロ怪人が存在し、異常な生存環境に適応しています。
孤高(ここう)
孤高は、ゲンシ器官をもたらした世界と言われていて、他の平行世界とは根本的に異なっています。この世界の住人たちは、高度な技術と知識を持ち、異世界のルールを究明しています。ゲンシ器官の継承メンバーは、この世界の研究者たちの意志を受け継いでいます。
幽霊(ゆうれい)
幽霊は、時空の重なりや転移が不安定な世界です。この世界では、物質がうっすらと見えたり消えたりする現象が頻繁に起こります。
終末(しゅうまつ)
終末は、人間が滅んだ後の世界であり、奇怪な生き物や巨大なカエルの化物が生息しています。
不明A・不明B
不明Aと不明Bは、詳細が明かされていない世界です。これらの世界は物語の進行に伴い、徐々にその姿を現すことになります。
このように、「常人仮面」の11の平行世界は、それぞれ独自の特徴と背景を持ち、物語の深みを増しています。異なる世界の住人たちが交錯することで、物語に複雑さと興味をもたらし、読者を引き込む要素となっています。
ゲンシ器官
ゲンシ器官とは
顔の一部に目玉のように発症するゲンシ器官は、物語において非常に重要な役割を果たします。この器官は、普通の人間を超人的な存在に変える万能兵器とも言えるものです。ゲンシ器官を持つことで、身体能力の強化や予知、霊感など様々な特殊能力を得ることができます。
ゲンシ器官は「孤高」世界が発祥とされています。その真相は完全には明らかにされていませんが、これにより多くの人々が異常な能力を手に入れることが可能になりました。
ゲンシ器官の機能と特徴
ゲンシ器官には多くの機能があります。まず、身体能力を飛躍的に向上させることができます。例えば、力や速度が通常の人間を遥かに超えるものになります。また、予知や霊感といった超常的な能力も発現することがあります。これにより、持ち主は周囲の状況を的確に把握し、未来の出来事を予測することができるようになります。
ゲンシ器官のもう一つの重要な機能は、因果の距離を推定することです。これにより、持ち主は周囲の不自然な状況や危険を察知しやすくなります。また、自動で身体能力を底上げする機能もあり、戦闘や危険な状況において非常に有利になります。
ゲンシ器官の持つリスク
通常、1個以上のゲンシ器官を持つと正気を保つのが難しいとされています。しかし、主人公のコクトは例外的に6個ものゲンシ器官を持つ異常な存在です。このため、コクトは普通の人間には到底できないような力を発揮することができますが、その反面、精神的な負担や慢性的な頭痛などのリスクも抱えています。
コクトは、ゲンシ器官の力を駆使して戦闘を有利に進めますが、その使用には慎重を期しています。アメジストという特殊な鉱石が、ゲンシ器官による頭痛を和らげる効果を持つため、これを利用して精神的な安定を図っています。
因果とは?
「常人仮面」の物語における重要な要素の一つが「因果」です。この因果は、キャラクターの運命や行動がどのように結果として現れるかを示すものであり、物語の進行に深く関わっています。
因果の定義と役割
因果とは、原因と結果の連鎖を意味します。物語の中で、登場人物たちの行動や選択がどのように影響し合い、結果としてどのような状況を生み出すかを示しています。これにより、キャラクターの行動には必然性と意味が与えられ、物語全体に一貫性と深みを持たせています。
因果の具体的な描写
「常人仮面」では、因果が視覚的に描写されることがあります。例えば、主人公のコクトはゲンシ器官の一つである目を通じて、他人の未来の姿や運命を見ることができます。この能力は、彼が周囲の人々の因果を把握し、どのような行動が最善であるかを判断する際に非常に役立ちます。
因果の影響と変化
物語の進行とともに、因果はキャラクターたちの運命に大きな影響を与えます。例えば、コクトがある行動を取ることで、彼自身や周囲の人々の未来が変わることがあります。これにより、物語は予測不可能な展開を見せ、読者を引き込みます。また、因果がどのように変化するかを描くことで、キャラクターの成長や葛藤を深く描写することができます。
因果の制約と自由意志
因果は、キャラクターの運命を決定づける一方で、彼らの自由意志も強調しています。キャラクターたちは自分の行動や選択によって因果を変えることができ、その結果として新たな運命を切り開くことが可能です。これにより、物語は単なる運命論に終わらず、キャラクターの意志と努力が重視される展開となります。
因果の象徴とテーマ
「常人仮面」の物語において、因果は人間の行動や選択が持つ重みを象徴しています。キャラクターたちは、自分の過去の行動や選択の結果と向き合いながら、未来を切り開いていく過程を描かれます。このテーマは、読者に対しても自分の行動や選択がどのような影響を及ぼすかを考えさせるメッセージを持っています。
因果と物語の展開
物語の中で、因果は重要なプロットデバイスとして機能します。キャラクターの行動がどのような結果を生むか、そしてその結果がどのように物語を進めるかを示すことで、読者に強い興味を持たせます。因果がどのように作用するかを追うことで、物語全体の展開や結末に対する期待感が高まります。
常人仮面のストーリーを考察
- 1巻あらすじ・ネタバレ
- 2巻あらすじ・ネタバレ
- 3巻あらすじ・ネタバレ
- 4巻あらすじ・ネタバレ
- 5巻あらすじ・ネタバレ
- 常人仮面の見どころ
- 連載と単行本情報
- 読者の感想とレビュー
- 常人仮面をまとめ読みするならdブックで
- 常人仮面の世界観と魅力を考察:総括
1巻あらすじ・ネタバレ
(裏少年サンデーコミックス)
「常人仮面」の1巻は、主人公の大高克人(コクト)とその双子の姉、大高克己(ツミ)が異世界の混乱に巻き込まれる物語の始まりを描いています。コクトは心臓病を患っており、父に見放された後、姉と共に亡き母方の祖父が住んでいた北海道に移住します。
ある日、学校の帰り道で、二人は突然怪物に襲われます。コクトは怪物を必死に殺しますが、その結果、自身がその怪物の姿に変わってしまいます。コクトの顔には不思議な6つの目が現れ、これにより周囲の状況を正確に分析する能力を得ます。この変異に戸惑いつつも、コクトは自由に動ける身体に喜びを見出します。
異変に気づいたコクトは、周囲に奇妙な生き物が増えていることに気づきます。彼は、怪物同士の殺し合いを目撃し、相手を殺すとその姿に変わるという法則に気づきます。
学校に戻ると、生徒たちも別の奇怪な生き物に襲われていて、クラスメイトの迫田がドロドロの怪人に変わっています。これにより、変身の法則がさらに明確に示されます。
一方で、学校には新たな脅威である長耳の怪人が侵入を企てています。この怪人は、生徒たちの身体を狙っており、コクトは夜になると不利になると判断し、自ら怪人退治に乗り出します。
2巻あらすじ・ネタバレ
(裏少年サンデーコミックス)
物語は、長耳の怪人がツミの姿を狙い、彼女に接近するところから始まります。コクトがこの怪人に対して攻撃を仕掛けますが、怪人は強力な音波を使ってコクトの動きを封じます。
その場面に、音波の効かないドロドロ怪人に変身した迫田龍一郎が助けに来ます。しかし、長耳の怪人の反撃に遭い、迫田は重傷を負ってしまいます。迫田が命の危機に瀕した時、長耳の怪人は迫田の姿になるのを避けるため、他の容姿の良い生徒を狙って校舎へと侵入します。
コクトは、この怪人を音波の効きにくい校舎内で追い詰め、動けない状態にします。そして、重傷を負った迫田の前に怪人を連れて行き、迫田に怪人を殺すように促します。迫田は最初は殺すことを拒みますが、コクトは迫田が惚れている大麻を守るために限界までやるように説得します。大麻の説得もあり、迫田はついに怪人を殺して自身の怪我を治すことに成功します。
この出来事により、コクトの冷酷な一面が露呈し、他の生徒たちは彼に対して恐怖と不信感を抱くようになります。その後、コクトとツミは心臓の薬を取りに一度家に戻ることにします。安全を求めた吉家千子も同行します。家では、コクトとツミの祖父を殺した4人組(ワッツ、サウザン、飯塚、上杉)が若い孫の身体を狙って待ち伏せしています。
コクトとツミは、家にいた祖父(上杉)が偽物であることをすぐに見抜き、反撃の機会を伺います。朝になると、コクトは先に攻撃を仕掛けますが、相手が分散してしまいます。その結果、家の中にいた吉家が触手の腕を持つサウザンに刺されてしまいます。
3巻あらすじ・ネタバレ
(裏少年サンデーコミックス)
家の中では、祖父の姿に変身した上杉が改心し、吉家千子(チコ)を守るためにサウザンと戦います。上杉はサウザンに勝利しますが、重傷を負った吉家が駆け寄った上杉を自分が助かるために殺してしまいます。
吉家の傷は治るものの、その腕はサウザンの触手に変わってしまいます。この異常な事態に直面しながらも、コクトたちは再び学校に戻ります。学校では、村の老人たちが入り込み、学生、老人、怪人たちの三つ巴の戦いが繰り広げられています。学生たちは長耳怪人の能力を奪った迫田龍一郎を中心に団結し、なんとかこの状況をしのいでいます。
しかし、さらに状況は悪化します。知的な蟻兄弟の怪人コンビが現れ、老人たちや他の怪人たちを結集し、若い身体と物資を求めて学校を攻めてきます。蟻兄弟の計画的な攻撃により、学生たちは再び危機に直面します。
この中で、コクトの身代わりとなった佐久間大悟がドロドロ怪人に変わってしまいます。コクトは大悟を元の姿に戻すために新たな身体を探す決意をします。そして、蟻兄弟の弟に目をつけ、彼の身体を大悟のために使おうと計画します。
4巻あらすじ・ネタバレ
(裏少年サンデーコミックス)
物語は、佐久間大悟の身体を取り戻すために蟻兄弟との戦いに挑むコクトの場面から始まります。
コクトは、蟻兄弟の兄が虫に執着していることに目をつけ、彼を死体の蛆へと誘導して無力化させます。続いて、弟の哲平も動けない状態に追い込み、大悟に殺させようとしますが、仲間の蓬莱風雅(フーガ)らがコクトの冷酷な方法を非難し、大悟も殺すことを躊躇します。兄の蛆への変化に絶望した哲平はコクトの思い通りになることを拒み、自ら首を傷つけて大悟に身体を差し出します。
この後、コクトたちは車で周囲の探索に出かけます。一方、ゲンシ器官の継承メンバーのグループでは、新人のタガメがゲンシ器官を増やして暴走し、変身を繰り返していました。タガメを探していたグループのリーダーである白月は、探索中のコクトと遭遇し、彼をタガメの変身後と勘違いして攻撃を仕掛けます。
白月の意表をついた攻撃により、コクトは危機に陥りますが、探索の仲間たちが結束して白月を追い払います。その後、コクトはカエルの化物に襲われていたゲンシ器官の継承メンバーである凹木(おうぎ)を助け、他の継承メンバーたちとも知り合います。凹木はコクトをメンバーに誘いますが、コクトはこれを断ります。
別れて学校へ戻ろうとする探索グループを、別行動していた白月が車をパンクさせて巨大な怪物化していたタガメに襲わせます。この状況で、コクトたちは一丸となってタガメの攻撃に立ち向かいます。
5巻あらすじ・ネタバレ
(裏少年サンデーコミックス)
物語は、白月の策略により、タガメがコクトに襲いかかるところから始まります。コクトはタガメに火をつけて撃退し、白月と合流した凹木たちは、誤解を解くためにコクトのもとに戻ります。
凹木らの説得により、白月とコクトは一応和解しますが、その条件として、異世界の事情を詳しく知るために一人を借りることになります。ルチアCFがコクトたちの探索メンバーと共に学校へ同行することになります。
学校の周辺では、金毘羅兆治(こんぴらちょうじ)が怪人たちを集めて襲撃の準備を進めています。探索チームが学校に戻ると、校内には不吉な因果が漂い始めます。コクトは、ツミを守るために仲間との線引きを考え始めます。
金毘羅兆治とは別のグループである無念坊が率いる4人組も学校を探っていましたが、ゲンシ器官を持つメンバーである再処理(さそり)はコクトら学校グループの強さを見抜いて襲撃を止めます。
ところが、別行動の破魔矢とファントムが水汲みに出ていたコクトとツミを襲ってしまいます。
コクトはファントム(犬)を傷つけますが、4人組は犬をかばって撤退します。コクトは傷を負った腕を怪人を殺して治療しますが、この行動に対し、人道的で理想論派の風雅や迫田との意見の相違が表面化します。コクトは全滅の因果が見えると言い、ツミを連れて学校を離れる決意を告げます。学生たちはコクトについていくべきか、残るべきか迷います。
コクト、ツミ、吉家、大麻の離脱組4人が学校を出ると、金毘羅兆治が集めた梁友会75人の怪人たちが学校を襲撃してきます。この圧倒的な数の襲撃により、コクトたちは孤立し、危機に陥ります。腹を刺された堂本先生(中身は猟師の重吉)は、生徒たちを助けるために車に乗り込み、最後の抵抗を試みます。
常人仮面の見どころ
「常人仮面」は、異世界ファンタジーとダークヒーローの要素が融合した作品で、その独自の設定やキャラクター描写が大きな魅力です。
主人公のダークヒーロー性
大高克人(コクト)は、生まれつき心臓が弱いものの、異世界に転移してから、強い肉体と特殊な能力を手に入れ、生きるためなら手段を選ばない戦士として生まれ変わります。彼は自分の命を顧みず、双子の姉・克己(ツミ)を守るために戦い続けます。敵どころか味方さえも恐れる冷徹さを持ちながら、受けた義理は必ず返すという一面もあります。この振り切った性格と行動が読者を魅了しています。
変身とそのルール
「常人仮面」の最大の特徴は、敵を殺すことでその姿に変身するという異世界のルールです。コクトは、自分の姿が変わらないように注意をはらいながら、その力を使いこなし、次々と強力な敵を倒していきます。そして仲間の負傷を治すためなら容赦なく敵の身体を犠牲にします。仲間たちは次々に怪人たちの力を取り込み、グループとしてもサバイバルを生き抜く強い力をつけていきます。この変身ルールは物語に独特の緊張感と面白さをもたらしています。
スリリングな戦闘シーン
コクトが心臓の弱さを抱えながらも、激しい戦闘に身を投じる姿は非常にスリリングです。彼は圧倒的な敵に対しても果敢に立ち向かい、時には自身を犠牲にしてまで戦います。コクトが持つゲンシ器官の力や、力をつけた仲間たちの協力で危機を乗り切る展開が読者を引き込む大きな要素となっています。
異世界のユニークな設定
物語の舞台となる異世界「梁界」は、11の平行世界が交錯する特異な空間であり、それぞれの世界には独自の文化や技術が存在します。この多様な世界観が物語に深みを与え、読者の興味を引き続けます。特に、変身摂理やゲンシ器官などの設定が物語を一層魅力的にしています。
ギャグ的要素
「常人仮面」には、シリアスなストーリー展開の中にもギャグ的要素が散りばめられています。コクトとツミの掛け合いや、登場キャラクターの意外な一面が笑いを誘います。特に、敵キャラたちのユニークな設定や、敵との戦闘中に突如として挿入されるコミカルなシーンが読者の緊張を和らげます。シリアスな展開とギャグが絶妙にバランスされていることで、物語のテンポが良く、読者を飽きさせません。
キャラクター同士の絆と対立
「常人仮面」では、コクトとその仲間たちの絆や対立が描かれます。コクトと双子の姉・克己の深い絆は物語の核となっており、彼らの関係性が戦いの動機となっています。また、仲間たちとの協力や対立も物語に緊張感をもたらし、登場人物たちの成長を描く重要な要素となっています。
連載と単行本情報
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読者の感想とレビュー
「常人仮面」は、その独自の設定とキャラクター描写で多くの読者から高い評価を受けています。以下に、読者の感想とレビューをいくつか紹介します。
コクトの容赦ない姿勢と戦いぶりに完全に引き込まれました。彼の振り切った性格が他の作品にはない独特の魅力を持っています。
変身や独特な世界観が斬新で面白いです。どんな展開になるのか、毎回ワクワクしながら読んでいます。
ギャグとシリアスのバランスが絶妙で、読みやすいです。重いテーマの中に笑いがあって、緊張感が和らぎます。
異世界の設定がとてもユニークです。11の平行世界が交錯する梁界の描写が細かく、読んでいて楽しいです。
コクトのダークヒーロー性が際立っていて、すごく魅力的です。彼の冷酷さと正義感のバランスが絶妙で、どんどん惹かれます。
次々と襲いかかる強敵たちとの戦いがスリリングで、一度読み始めると止まりません。相手を殺さずにどのようにして敵を倒していくのかが見どころです。
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常人仮面の世界観と魅力を考察:総括
記事のポイントをまとめます。
- 主人公は生まれつき心臓が弱い高校生、大高コクト
- 双子の姉、克己(ツミ)を何よりも大切にしている
- 学校ごと異世界に転移することから物語が始まる
- コクトは襲撃してきた敵を殺して変身してしまう
- コクトは6つのゲンシ器官を持つ異常な存在
- ゲンシ器官は超人的な能力をもたらす
- 異世界では怪人たちが生徒を襲う
- コクトの冷酷さと義理堅さが読者を引き込む
- 殺した相手のに変身するルールが存在する
- 物語の舞台は「梁界」という異世界
- 梁界は11の平行世界が交錯する特異な場所
- 各平行世界には独自の特徴と文化がある
- 敵キャラクターにも独特の設定があり魅力的
- キャラクター同士の絆と対立が物語の深みを増している
- ギャグ的要素がシリアスなストーリーにアクセントを加える
- 常人仮面はマンガワンで連載中
- 紙の単行本は3巻まで4巻からは受注生産